知ってもらいたいこと。

今週のハンターハンターを見て思い出した動物の話をします。
「的熊」(まとうぐま)の話。
何って、たぶんこれ、この的熊が元ネタなんじゃないかなあと思ったのですね。ビジュアル面ですが。

的熊って、割と動物好きでも知らない人が多いんですが、熊の一種です。ニュージーランド西部にしか生息していなかった熊で、小型、主に木の実や魚を食べていたそうです。不思議なのはこの熊の体表の模様。ハンターハンターのアレとは逆ですが、背中にまるで的のように三重の同心円が描かれているんです。こげ茶色の体毛に白い模様。月の輪熊と似てますね。
ちなみに魚にも的鯛(まとうだい)というものがいて、多分和名を付ける時はこの的鯛を基にして付けられたんだと思うんですが、ともあれ的熊(英名はダーツベアー)です。

そして、この的熊、いまはもう、絶滅してます。
スポーツ狩猟が原因でした。つまり、その、的熊の背中の模様目掛けて銃を撃つ競技が入植者の中で流行したのです。的熊は記録によると熊というだけあって、肉に臭みがあり、食用には向かなかったそうです。
以前日本でもニホンオオカミが「害獣」として駆逐され、絶滅したという歴史がありますが、的熊の場合はおとなしい性質だったこともあってまさに「害獣」の濡れ衣を着せられ、さらに娯楽のために絶滅したということになります。(ニホンオオカミも人を襲うことはなかったと言いますが)食べる為でもなく、安全を守る為でもなく、ただゲームとして絶滅に追いやられた生物です。

人間の身勝手によって絶滅した動物としてはドードーだとかモアだとか、バッファローが有名ですが、この的熊についてはそれほど有名でなく、触れているwebページさえ少ないです。
なのでここを訪れた人に少しでも的熊のことを知ってもらおうと思って書きました。

数少ない的熊に関するwebページはこちらからどうぞ。

http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E3%81%9D%E3%82%93%E3%81%AA%E5%8B%95%E7%89%A9%E3%81%84%E3%81%AD%E3%81%88&lr=

人類のおろかな歴史、といってしまうと途端に陳腐ですが、地味に落ち込みます。