秘密結社旗揚げ。
クランだとかギルドだとかそういった物への興味が溢れてみなぎってまいりました。モンスターハンターだのＲＯの話じゃござんせん。現実の、しかも創作活動についての話であります。
以前から言っていた秘密結社結成のお話の、ぼんやり具体的な姿がわかりかけてきました。
我々が幻視した友愛は、連帯は、果たしていかなるベクトルに沿って進むのか。
ちゅわけでしばらく秘密結社の話します。
これまでのまとめ。
・連帯に名前をつけるのは、目的を明確にするためである。
・友愛自体に目標や到達すべき地点はない。
・友愛に別の名前をつけるのは、友愛それ自体を目的とする場合のみである。
・友愛を目的とした連帯は、友愛以外のどこへも向かわない。
・現在ほとんどの連帯は友愛から始まる。
・そうでないものは、危機を伴う必要に迫られて接合する。
・危機から生まれた連帯はしばしば新しい友愛を生むが、友愛から生まれた連帯はしばしば停滞に向かう。
・永続をうたう連帯に唯一必要なものは明確な目的である。特別な友愛は、それを言い表す特別な名前を必要としない。
・わたしはわたしの求める連帯に名前をつける。
・「後足社」
・それは蹴り出す足である。跳ぶ足である。あるいは、生まれた時にはまだなかった足である。
・わたしは、孤独や貧困、その他のものに痛め付けられた結果、筆を置いてしまう、あるいは折ってしまうことを好まない。
・そのようなものから身を守るために、無批判に何かに所属してしまうことを「選べない」人々を愛する。そうやって庇護されることを「選ばない」あなた方を愛する。互助ではない。ただ愛するだけだ。
・ある者は自身の性分から、ある者はその潔癖さゆえ、何かにべったり所属してしまうことに距離を置く。馴れ合いの互助から、意識して距離を置くあなた方を愛する。
・わたしが提唱しようとしているのは、友愛は単なる副次生産物のひとつで構わないと明確に定めた、ささやかな連帯である。
・目的はひとつである。
・わたしの連帯の目標は唯一「つながること」である。
・それは無形の場である。無形の約束である。あなたがどんなになったとしても、あなたがわたしに手を伸ばす限り、わたしはけっしてそれを無視しない。わたしたちはけっしてお互いを無視しないことを誓うものだ。
・それがわたしを傷付けるために伸ばされた手であっても、わたしは決してそれを無視しないことを誓う。払い落とし、あるいは掴んでへし折るかも知れないが、無視だけはしないことを誓う。
・このクランに加わるあなたにも同じことを望む。
・わたしはただ断絶だけを憎む。思想や信条や主義や立場や、様々なしがらみといった、実に些末なオプションで容易に断絶しうる稀薄な繋がりを憎む。
・わたしたちは、うしろ足で立ち上がり、まえ足を解放した。
・なぜか？
・それは、お互い、手をつなぐために決まっているのだ。
・あるいは拳を握り、殴り合うために決まっているのだ。
・間違っても自分の目や耳や口を塞ぐ為では、ないのだ。
・わたしは今、このクランに加わるための、たった一つの資格を定義する。ずっとずっと考えていたけれど、うまく言葉にならなかった資格である。全ての鍵である。
・『なにものかへの愛を表現することと、なにものかへの憎悪を表現することを、等価値に扱えること』
・それは価値観の問題であるが重要な素養である。
・これは、このクランの大会則として定める、『結社員はいかなる意味でも互いに互いを否定しない』ことと同義である。
・わたしたちは、決して否定しない。そうだ。『否定する行為』でさえも否定しない。言葉遊びだがつまり、そういうことだ。
・自分の見解、他人の見解、全ては並行価値である。全て等価値であり、、お互いに優劣はない。正誤はあるかも知れないが、正しい方に従わなければならないという強制力はない。
保護しなくてもよい。対立してもよい。ただ、尊重しなくてはならない。
・「わたしの意見はあなたのそれとは異なる」、「故にあなたには同意できない」、「これ以上聞きたくないから黙れ」。わたしたちが許容するのはここまでだ。
「わたしの言うようにしなくてはならない」と強要してはならない。頼むのも勧誘するのも脅すのも自由であるが、決して強制してはならない。
・その例外をひとつだけ設ける。わたしは、否定しないことを唯一の会則として設定し、その例外をひとつだけ設ける。
・『断絶してはならない』
・唯一の例外として、わたしは断絶だけを否定する。これは秘密結社である。断絶からそれぞれを守り、普遍に存在するさまざまな断絶に抗う結束である。
・結社員同士での仲違い、抗争、対立、決闘も自由ではあるが断絶だけは禁じる。
・わたしたちは、互いに殺しあってはならない。・無視しあうのは殺し合うことと同義である。
・無視しあってはならない。
・わたし（あるいはあなた）がこのクランに支払うものと、クランがわたし（あるいはあなた）に与えるものはまったく同一でよい。等価の交換である。
・宣誓によって集う限り、離れていてもわたしたちは繋がる。
・繋がり続けてゆくために繋がる。それでよいとわたしは思う。
