『あじさいの唄』

ビッグコミックオリジナル大好評連載中の、『あじさいの唄』のアニメをソフトオンデマンドが作るってえ怪情報が乱れ飛んでましたが、アレ、本当は本当で、その、なんていうか、このたび公式サイトがグランドオープーン!
放送はされないみたいですが、ともかく注目です。
ついでではありませんが、漫画のあじさいの唄の紹介を…しようと思ったけれど、これまたぜひ読んでいただきたい漫画なのであります。

大学の頃カイタルくんに勧められて読んでみたんですが、まあ、本当によい漫画なんですよ。基本はギャグというか、コメディというか、軽妙な感じなんです。毎回ほぼ一話完結、でも最初から通して読んでると、人それぞれの関係が微妙に変化してたり、ちゃんと劇中に時間が流れてるのがしっかりしてます。
舞台は、父子家庭の浪人の家の息子である栗太郎と犬の栗之助のお話が主なんですけど、こう、暗くなく、湿っぽくなく、かといってバカでもなく、なんていうか言ってみれば、情緒のある、そう、情緒のある漫画なのであります。

色々な人が出てくるんですが、中でも僕、父上と顔の怖い飴屋とお忍び殿様の話がすごく好きです。時々その三人でつるんでバカしたりなんたりするんですよね。
どの巻だったか忘れたんだけど、「借金を返さない努力」の話があって、すごく色々考えた気がします。
飴屋が、借金に追い詰められて鍋とか売ろうとしてるのを、殿様が止めるの。そんで言ったのが、「目先の利子のために鍋を売ったら、次の日にごはんが食べられない、ごはんが食べられなかったら力が出なくて働けない。働けなかったら、もう次の借金返済はできない。だから、本当に返すつもりがあるならまず、形だけ支払う努力をするんじゃなくて、ここは明日のために<返さない努力>をしてみたらどうか」みたいなことなの。
単行本手元にないので正確ではないんですが、でもすごい印象に残ってます。感心しちゃった。その辺りからわたくし、座右の銘が「貧すれば窮す、窮すれば鈍す」とかになった気がします。もともと二兎とか追いまくっていたので、大事な教訓です。
でも確か殿様、その後飴屋と一緒に借金取りにボコボコにされてたような気が。

ともあれ『あじさいの唄』、知らないせいで読まないのはもったいないですよー。