えーと、ずいぶん前にクリアしたんですが、なんていうんだろ。こう、レビューする気も起こらぬまま数週間。しかし、こういうのはまあ、けじめですからね。
まず特筆すべきは、点数をつけるとした場合の「システム四点、ストーリー零点!、キャラクター零点!」というものっそい辛口評価。しかもそれが十段階評価だというところがおそろしい。
でも、APシステムという着眼点は結構よかったと思うんです。途中、それも序盤は本当に面白かったんです。敵の行動パターンは果てしなくバカだけども、ボスのHPはキチガイみたいに高すぎるけれども、弓兵の強さがハンパじゃないけれども、魔法の数は少ないけれども、それでも、まあ、戦略次第で格上の相手に勝利できるというその仕組みはいいんです。
でも、ツメがちょっと甘いんです。こちらのレベルが上がってしまうとあっという間に虐殺ゲーに成り下がり、レベルが上がってしまうともうやることがなくなるんです。だって、弓兵の遠距離攻撃二回くらいでたいがいの雑魚敵は死んじゃうんだもの。少しレベルが低い近距離型ユニットが戦場に着く頃には、フィールドにあるのはあと数発で沈黙するボスと雑魚の死骸の山、山、山。弓兵つよすぎ。近接戦闘だけだと、レベルが二個上の相手にも大苦戦するのに、弓兵だけなら、レベル差が20以上ある相手を地形を利用したりヒッタウェイしたりすれば(時間はかかるけど)ノーダメージでやっつけられるとか、どうかと思う。

ストーリーに関しては、こう、なんと申し上げますか。先日も書いたけれども、「伝説の武器とかはもううんざりだっ!」「おちつけっ」「21世紀に、四大精霊の試練で間が持つとおもうなっ」「おちつけっ」という感じ。でも、ストーリーはトラディッショナルでも構わないんです。キャラクターが魅力的だったらそれでも平気なんです。でも、キャラクターの側面はまるっきり描かれない上、主人公とリーンが惹かれあう過程とか、グレイとアドニスのモヤモヤラブコメ模様とかそういうのをまるっきり省略とかしてんの。これは温厚なあたくしだってぐんにょりしますよ。ただキャラクターはあらすじに沿って動くだけ。感情移入できないどころの騒ぎじゃない。
そう、一言で言うと、「何時間もかけて物語の『あらすじ』を見させられた」という感じでした。別にそんな長くなくていいじゃんというか、要約するとホント、数行で終わっちゃう感じ。これは、つらいですよ。だって、本来あるべき枝葉の部分をばっさり切ってるんです。モミの木の、枝や葉を全て落として幹だけにして、「クリスマスツリーです!ほら、天井につくくらい高いでしょう?」って言われてもなあ、って思うでしょう?とりあえず僕が見たかったのはそういうの違う。
ギルドで仕事を請け負えるシステムというのも、その仕事で各キャラクターのサイドストーリーを見せるとかそういう要素は最後の「伝説の武器取得イベント」だけ。そのほかは単なるレベル上げイベントにすぎないんです。
惜しい。ほんとうに惜しい感じでした。いくらでも膨らませようはあるし、実際面白いものになりえたと思うのに。せめて、キャラクターを「説明書で説明したでしょ、以上!」というよりもう少し掘り下げて描いてくれれば、及第点レベルには行ったと思うんだけど。どのキャラも、取扱説明書に説明されている以上の側面や内面を、一編たりとも見せてくれませんでした。ある意味、キャラクターは記号!と割り切っているようでオタ向けかもしれないんだけど。
うーん。

総括。
時間が余って余って困ってる人以外は、買うと損する、かもしれません。反論受けます。とりあえず、二週目前提とか攻略本片手前提とか、そういうプレイを望まない子の僕からすると、ちょっとぐんにょりしたゲームでした。