webに潜む毒。

駄目だなあ。毒に当てられていまひとつやる気が出ません。わたくしは今、愚痴を聞いて欲しいような気分にあります。
意味が判らないと思いながら、それでも聞いてもらえればいいんですが、ええっと。こほん。言葉が肉体を越えるようでは駄目だあ。ものの正誤にこだわるあまり肉体をゆき過ぎて、官能を置き去りにした思想に、いかばかりの価値やありやあー。ないだろおーおー。
はい。以上愚痴終わり。

webに潜む毒はおそろしいものです。毒というのは攻撃的な言葉だったり、皮肉味に溢れた語りかけなどではないと僕は考えます。平静に見える姿勢からにじみ出るもの、本人は気付かないけれども、確実に他人を害するものだと考えます。口汚く他人を糾弾することは毒ではありません。それは単なる攻撃であって、毒ではないと思います。銃弾であって毒ではないと考えます。毒は対象を選びません。不特定多数(男性一般や女子高生一般など)へ向けられた悪口、というわけでもありません。それは爆発物であって毒ではないと考えます。
webに巣食う真実の毒とは、発信者の意志の方向に沿う形で広がるのではなく、発信者それ自体の存在から立ち上るものだと考えます。
無意識の、注意しなければ見落としてしまう文章から立ち上る、そのおそろしい毒!

以前の自分の日記よりサルベージして引用。

先生に「この絵のここはどうしたらいいでしょうね?」と自分で聞いておいて、先生に「赤がいいんじゃない?」って言われると、「いや、いや、それはなんだか気に食わないですね」と平気な顔をしてのたまう厚顔無恥な人種がいますが、それの亜種として。

「この絵についてどう思いますか?」つって自分で聞いておいて「うん、細かいところが塗り分けられてない感じがするから塗り分けるといいよ」つってアドヴァイス受けて、「や、や、でも絵は別に本気で作ってるわけじゃないっスから!」って返事するってのはどうなの、という話。

本当の邪悪と本当の毒について、とても似通ったものではないかと考えます。共通しているのは無意識の、無自覚の悪意ではないかと思います。保身や自己愛がそのまま、裏返って他人を蝕む毒となるような。毛穴から立ち上る、それこそ毒。

と、ここで話は唐突に具体的な話に落下するんですがモテと非モテ
モテと非モテをめぐる言説は実におそろしい。底のないものです。
何がおそろしいって、その全てが俯瞰的な視点のない、第一線級の当事者による論だということと、その大多数が両者の間にある埋めようのない溝を仮定することから始まっているというあたりに、どうにもおそろしい瘴気を感じます。
だってどこにも出口がないじゃないですか。風が吹き込み、逃げ道がないと埃になるように、やり場のない箱のなかで言葉だけ閉じ込めて、結果生まれたものは毒以外の何者でもないんじゃないでしょうか。ああ、ああ。ここにあるのはおそろしい毒だ。ブラウザを閉じても、果てしなく追いかけてこられるような気にさえなってしまう。おそろしい。ああ。
笑って済ませられるほど他人事には思えないのが一番の問題なのか。非モテにもモテにも縁遠いことが逆に毒の影響を強烈に受けてしまうってことなのかしらん。

気分がすぐれないので口直しに、と普段つけないテレビをつけるといかにも毒ではないような顔をして喋っているのはほそきかづこ女史。ああ。駄目だ。慣れないことは、するもんじゃないや。今日はあてられっぱなしで気分が悪いや。
もう甘いもの食べて寝よう。