うつくしき母子。

言葉の獲得、というものこそが愛である。母は子に言葉を託す。子は母に自ら獲得した言葉を見せびらかす。
ちゅわけで最近目撃した母子。
子供が母に問うているのである。「ねえお母さん、牧場ってどういう意味?」
まだ若き母は答えるのである。
「牛や馬が、草を食べて暮らしているところのことよ」
しかし子は母の声が終わらぬうちに、嬉しそうに叫ぶのである。
「オッケイ牧場!」
母親の愕然とした顔。子供の、まるで跳ね回るような楽しげな笑い声。
我々の世界はまだ捨てたものではない、と思う。まだまだオッケイ牧場。