ナンパされたんである。

鈴虫氏とお酒を飲んでいたのである。
一軒目、会計を終えて鈴虫氏が店を出て、わたくしが荷物を整えている最中、へさべさにナンパされたんである。異性である。手を握られ、誕生日とか聞かれたのである。あまつさえ、自分が書いた本なの、と本までくれたんである。
鈴虫氏はいち早く店外に出ていたんである。わたくしが、失礼のないように、いつかどこかでの再会を約束して店を出ると、鈴虫氏は体をくの字に曲げて笑っているのである。かるく腹立ったんである。助けてくれてもいいんである。

ナンパしてきたのは、わたくしより15割増で年上なんであった。ひー。変なオーラ出してたか?僕?
悩むんである。