ペイシェントリィ。

人生は信号のようなものだ。止まれと進めが繰り返され、赤にくらべて青信号の時間はあまりにも短い。
…ともなると二種類の人間が現れる。すなわち、短い青信号を逃さぬよう尽力する人間と、もう一つは、どうにかして赤信号をうまく渡れないものかと考える人間である。

今渡らなかった未来に、何か待ってるのか!?」
詩人は言った。そして横断歩道へ飛び出し、軽トラに跳ねられたが死ななかった。人間、意外とタフだ。
血まみれで手を振る詩人を眺め、僕ならもっと上手くできる、と思ってしまった。赤信号を渡ることも、軽トラに跳ねられることも、血まみれで手を振ることだってだ。
そして、こうして信号を守らない大人が殖えて行く。