花散らしの雨が

今日は雨。
窓から見える桜がとても綺麗です。
桜のよいところは、普段何食わぬ顔をしているところだと思います。高架線路から眺める町並みの、風景のちらほらに見える立木。その中のいくつが桜の木なのか、普段知らずにいる僕ら。
春になるとその桜は、まるで舌を出して『サプラーイズ!』っておどけるみたいにして、自分がそこに、ずっと前からいたことを教えてくれるんです。一本だろうと町なかだろうと豪快に咲く桜は、まるで、人波の中に手を振る人のようです。
高架線路から眺める遠くの桜の場所を覚えると、春もまた、走り抜ける鉄道列車と同じように既に後姿。