子産/宮城谷昌光/講談社文庫

水滸伝から派生してなんか読みたい読みたいよ中国の話が!と思っていたらば、昔勧められたことを思い出して入手。
初宮城谷作品でしたがともあれ。
登場人物の名前がハンパなく覚えづらいというすごいハードルがありましたがそれを越えると随分面白い本です。主にツッコミの方面で面白いように思います。
戦争中でも相手の君主見つけたら戦車止めて降りて礼しなきゃ無礼だとか。なのに闇討ち奇襲待ち伏せとかはOKとか。やったら奇妙な戦争ルール。
戦争ルールが奇妙なので勝敗条件もわかり難く、ということは戦争の勝敗が予想できないということで、=手に汗握る!
…のかなあ。
でも、確かにそういう局面はありました。
全体的には奇妙な印象の本でした。盛り上がったと思ったらいきなりトーンダウンして、トーンダウンしたと思ったら数ページだけものすごく盛り上がって、の繰り返し。煮え切らないといったらそうかもしれないけれど、でも決してつまらなくはない。うーん。
へーんな本、と思ってたらあとがきで「架空の人物は出さないようにしました」と書いてあって愕然。これ、小説じゃなくて史書だったのか!