文学フリマ行った。

先日は用事の合間を縫って文学フリマに一般参加。
第一の目的は、原稿を載せて貰った「幻視コレクション」の作者分を頂きがてら、主宰にご挨拶。
この目的は息切れしつつもなんとかクリア。

第二の目的として、何か「見たことのないもの」を捜索。
残念ながらこちらは未解決。ちゅても、見て回ったが何もない!ではなく、あまり見て回れなかった、が正解。

昼過ぎに到着して場内を見てまわると、なんだかすごい人手でした。自分が参加していた頃と比べるのがアレかも知れませんが、ずいぶん認知されてきてるのだなあ、などと妙な感心をしてしまいます。
聞くところによると、どうも同人誌のTVチャンピオン的な企画が進行中だったようです。
帰り際にも、何かの3位決定売上バトルみたいのが始まっていて、まさにTVチャンピオン。余裕があれば見物したかったんですが、あまりににぎやか過ぎて気が引けたので遠巻きに眺めるのみでした。
顛末は誰かのレポートを見て済ましゃいいかなんて横着であいすみません。

会場を見て思ったのは、少し失礼な言い種なのですが「みんなずいぶん胸張ってるなあ」ということが第一でした。

僕は比較的陰気な人間ですので、小説を書いていること自体や、書き上げたものについても、どうも後ろ暗い気持ちになってしまうのです。よい出来だと思っても、どこか後ろ暗いです。はい。

以前、人に「丁寧に作られた豆腐であることは分かるしあらかじめ豆腐好きならその違いがはっきり分かるだろうが、肉好きが食って旨いかどうかは別問題」というような趣旨の書評を頂き、なるほどと膝を打ったことがありました。
要は、僕は基本的にそのような類いの人間なのであります。
客を選ぶ訳ではありませんが、おいの好きなのは美少女たちが超常ファイトするもんじゃい、という人々に受け入れられる可能性を、はじめから諦めているというか、まあ、そんな感じなんです。
そもそも本なぞは、読まなくても生きてゆけるものであり、そうであるなら、胸を張って「僕の物語を聞け!素晴らしいから!さあ!さあ!」と肩を掴んで揺すぶるのは少々野暮ではないかと考えるのです。
本が必要となった人に、その都度、適度に返事が出来ればそれでいいんじゃないかとか思うんです。読みたくなったらウチにおいでよ、というくらいの立ち位置でいたいんです。
もっとも、わたくしこの数年、沈黙を続けておりまして、さっぱり本が必要な人に返事できてないんですけども。

ええと。
そう。文学フリマの話。
比較的、需要と供給がマッチした会場に見えました。客層の求めているものを、熟知して作った書き手が多かったんじゃないでしょうか。
わたくしなどはいささか空気を読まぬきらいがありますゆえにアレですが、そのわたくしをして毛色の違う「違和感」を感じたブースがあまりなかったということは、やはりイベント自体の色が出てきたということなんでしょう。
よいか悪いかは別としても。

とりあえずは幻視コレクションの飲み会に参加できなかったのが残念でした。次があるといいなあ。