鼓動

ものを考えながら飯田橋の大きな歩道橋を歩いていたら、ふと街を体感した。
街は生きている。
大きく、言葉を持たないなにものかの背中に乗って僕らは暮らしていることを、文字通り体感した。

ごうごうと息をしているなにものかの鼓動が、足元から僕らの身体を揺らす。
なにものかの、なにものかが振動とともに僕をゆらす。
歩道橋から幻視するのは穏やかなケモノの姿と、ささやかな変革の予感だった。