バットマン アーカムアサイラム

はい。
こちら、そういえばレビューしてませんでしたね。という訳でレビュー。

結論から申しますと、非常なる佳作であります。僕などはもともとバットマン大好きなため、贔屓目の点数になってしまうんですが、そこを脳内補正して辛く見ても秀作。あるいは名作の部類に入るんじゃないでしょうか。

ゲームシステムについては、このゲームでしかできない斬新なシステムは特にありません。
ですがベヨネッタに見る敵の攻撃を避け切る楽しみ、天誅などの背後から忍び寄って一撃必殺の楽しみ、レゴバットマンなどに見るフリーランしながらリドルだのトロフィーだのを集める楽しみもあり、様々なゲームのいいとこどりを楽しめるのは本当に秀作の証。

その中でも何よりも良いのはストーリーと演出です。
ストーリーは、コミック版のライターがやってるだけあって、あれれと思うところは殆どありませんでした。キャラゲーでこれは相当よいことだと思います。
触りだけ説明すると、いつものアーカムアサイラムにぶち込んだ瞬間、バットマンの目の前でジョーカーが拘束解いて脱走。それも「外」にではなく、かつてバットマンに破れた悪党渦巻く「奥」に。
…という、もう誰が出てくるのか想像するだけでドキドキする展開ですので面白くない訳がないんですね。

あとはライバルとの戦いを経るたびに怪我してゆくバットマンや、敵役のクレイジーっぷりにただただ心を奪われるゲーム体験でした。笑い声だけでどのヴィランか、きちんと判るからスゴイ。

ちなみに一番痺れたのはバットマンのこのセリフ。
問題ない。スケアクロウがいただけだ。
これは、アーカムアサイラム内において、脱獄していることすら知らなかったスケアクロウから不意打ちで「一番恐れているものの幻覚を見せる毒ガス」による精神攻撃を受けて昏倒、一時オラクルとの無線も普通になっていた上、意識を取り戻したらスケアクロウはどこかへ去った後という割とダメな状況での、心配してくれたオラクルへのあんまりといえばあんまりなセリフ。
非常にバットマンくさいというか、スケアクロウは自然現象とかよくあることとかじゃじゃないよな。
案の定、その後も何度も襲われてるし。

一点だけ、一点だけ好みを言えばなんですが、普段のバットマンのマントのモデリングには、もう少しでいいから厚みと重みがあると嬉しかったです。止まってる時や攻撃時はカッコいいんですが、フリーラン時のマントだけは少しぺらい印象。その他には、アラがあるとしても、グレートホワイトシャークの鼻が別の場所でも見つかるとか、そのあたりの気にならないレベルです。

正直、買いだと思います。