面白遊び

雷が光ってから音がするまでに時間がかかるのは、雷とあなたの距離が離れているからだ。一瞬で到達する光に比べて音は、空気中をおよそ秒速340mの遅さでしか進まない。音はいつだって光に遅れる。
そして今、光が先に、というよりは殆ど同時に光と音が彼女の背中を叩く。よろめき、彼女はそれが爆発音であることを頭で認識するよりも早く身を低くした。
その爆発が、背後340mよりも遥かに手前で起きたということを頭で認識するよりも早く彼女は音の方を見た。
まるで光と音の関係のように、反射でうごく自分の肉体から一拍遅れて、彼女は事態を認識し始める。

爆ぜたのだ。

ぎぶろぐで提案されていた新しい遊びのカタチに参加してみました。

ニューバージョンを考える遊びはすぐに思いつくけれど、自分ならどう書くかという発想には至りませんでしたのでとりあえず感服。書いてみて、こんなんじゃ誰でも書けるし特色ないな、などと思ってしまったらなんか精神的にマズいゾーンに落ち込むような気がしてたんですが、やってみるとそうでもなかった。

や、自分のは文体に特徴あるぜ、とかそういう自負ではなくて、自分が今、どんなものに興味を持っているのかぼんやりわかったというか。なんというか。
個人的な最近のトレンドは、もうゾンビ一辺倒なんですが、僕の考える世間のトレンドというものは「薀蓄」ではないかと思います。ハンター×ハンターシグルイにおけるナレーションの心地よさというか、寸瞬の時間を引き延ばして見せるやり方にトレンドを感じ、また、少なからず影響を受けているんだろうなあというのが自分でも再認識できてよかったです。あとは古川日出男のLOVEなんかにもその気配が見え隠れ。薀蓄ナレーションや背景説明で体感時間を延ばしたり縮めたりするのはまさに技巧。

最近、ようやく僕にもトレンドを取り入れるということが理解できてきました。
ミサカはミサカはこんなのの予約を入れようかなってさえ考えてる。

あ。折角なので補遺しておくと、もう少し長いバージョンがこちら。上下に分かれて、コピペだけど結構読み甲斐があります。
個人的には

「爆発したのかしらん」

が好き。アプローっ。