冒険野郎のトムソーヤさんの同人誌

先日からずっと書き損ねていたのですが、ようやく時間が取れたのでまとめて更新。
葉来さん遅くなってゴメンッス!

  • 叱物語
    • 以前は原作を知らないので、と尻込みしていたのですが、原作を視聴して神原が好きになりすぎたのでレビュー。
      神原の空気の読まなさ、めんどうくささは脇役であるからこその輝きと理解しますれば、寿司屋の神原にキュンキュンです。実に神原くさいですね。二次創作ってのはアレですね。キャラ萌えが肝というのを実に体現してます。
      石川さんのアザゼルさん×委員長、葉来さんの八九寺×「ぱふぁ」も、実に二次創作でよかったです。ぱふぁ。ぼりん。
  • ンバロン
    • これは実に面白い本でした。冒頭のスナイパーナさんから、モノノケ4コマ、ウミホタルマンであやかしよりまし、ウミホタルマン2とそれぞれのお話の読後感を考えたに違いない構成からしても秀逸。どれもこれも面白いお話でしたが、特に今回は『モノノケとわたし』が輝いていたように思います。4コマのせつなさって、コマとコマの間の行間が、すごく空くからではないでしょうか。淡々と描かれたコマとコマの間。俳句に似た少ない情報量。
      これは他の表現方法にも言えることかもしれません。今の僕の仕事は「行間」というものを極力排除していかないとならないことばかりで、自身、苦戦していることばかりなのだけれど、こういうステキな行間の使い方を目にするととても元気が出ます。一緒に頂いたTIC-TAC-NAMBANは少し起伏の少ない感じでしたが、こちらは実に起伏のつよい、実にエモい一冊だと思います。
  • オリンポス学園(第一回掲載分)
    • これはズルをして刷り出しを頂いた分。単行本化されておらず、古本屋でコミックフラッパーのバックナンバーにあたるしかないアレなので読み逃したファンの方には恨まれてしまいそうですが、ともかく怪作であります。1月のフラッパーで二回目の掲載があったというのも納得です。以前書いたかもしれませんが、オリンポス学園に転向してきたパラス・アテナさん(処女)のキャッキャウフフを描いた怪作。基本的に女子しか出ない方向なのですが、少年漫画のノリ。あざとくない萌え。処女(大事なことなので二度言いました)。などなどの、アウトロー(外角低め)の方向の要素をうまくまとめたお話になっております。
      一昔前の、アニオタ処女信奉を軽やかに笑顔に昇華しているとか、そんな風に語るのは多分作者の意図とはずれてしまうかもしれませんが、ともかくは「処女処女言ってるのに気持ち悪くない!」というバランス感覚をぜひ味わってみてください。3回目の掲載は連載になるといいですよね!応援しております。

葉来さんの作るものは、一言で言うととてもバランス感覚に優れた漫画だと思います。今回頂いた中にはあまり参加されていなかったのですが、武東さんの漫画は突き抜けた狂気が魅力です。トムソーヤさんとお知り合いになった頃、僕はお二人の違う方向性が羨ましくてなりませんでした。路線が違う人たちが、いつも一緒に活動しているというのは今現在ももって羨ましくてなりません。そして、他にもサークルの中に色々な方向性の人がいて、一冊の本を作っていて。実に羨ましいなあ、と思います。

一方の僕は比較的孤独にやっていて、というよりもおそらくは人を近づけにくい何かがあって、「アレは遠くで見ているくらいでちょうどいい」というような創作態度になっているのだと思います。確かに、僕は僕自身ちょっと理解のできない部分があって、一緒に何かをやるにはアレな人間だなあと思うのですが、ともあれ。
読んでいて、ああ、こういうのいいなあ、と思える本はよい本です。また冒険通信やってください。ぜひ。アレ読むのちょう好きです。