断絶。

許せないことを許さないという決意を持って臨み、これは信条の上で許せないと告げたところ、それは私ではなくお前が道に外れているのだと罵られたので花一匁。
ならば仕方ないです。お互いに理解しあえず交われないということを「分かり合えた」のでもういいよね、と断絶してきました。
それは、初めての経験でした。
わたしはあなたが嫌い。あなたもわたしが許せない。ならば、血が繋がっていても仕方ない。わたし左にあんた右に。物語はここまで。
僕にとって、血の繋がりというのは越えられない壁ではありませんでした。それについても、幾つか思うこともあります。
僕と君は他人同士、他人同士だから一緒にいられる筈さ、と唄った声が少しだけ胸に響きます。僕は、血の繋がりではなく、言葉と物語で今一緒に暮らしている人を愛しています。
血が繋がっているだけの人を、それだけの理由では愛し続けることはできませんでした。

断絶はそこかしこに転がっていて、気を付けないと踏んづけてしまいがちだけれども、なるべくなら避けたいと思って暮らしてきました。
自身の世界に否定的な言動を目にしただけで、まるで貝が蓋をしめるように他人に絶交を言い渡す人を幾人も目にしてきました。
僕はそんなのは御免だ、と思って生きていました。

そんな中での断絶。やってることは一緒なので言い訳はしません。仕方ない。
僕は諸君とは違う、だのと喚いても何かが変わるものではなし。
だから僕はあなたがたを許します。どうしても嫌なものは仕方ない。人から見ればその程度でと思うようなことでも、あなたがたにとって、とても重要なことだったのでしょう。触れられることすら許せないことだったのでしょう。
だから、これからいつか、あなたがたとの関係が修復できるかも知れないなんて考えるのを止めます。どんな形でも断絶は断絶。軽んじてよい訳がないんですよね。

断絶は常に一方的なものです。だから、この週末に起きたことも、これまでに僕に告げられた幾つもの断絶も、それで仕方なかったのだと思います。
好むと好まないにかかわらず、物語は終わった。そこには新しい物語はもうない。
そういうこと。

そして人生は続く。