最近の喧嘩

夫婦仲が良いと誤解されがちなわたくしの家庭ですが、キバヤシに分からないことがあるくらいの確率で口げんかくらい…ある…!!!今回の火種は、「最近会話が激減してつまらない」でした。

「もっと話をするべきだと思うけど。話するの嫌なの?」
「そういう訳じゃないけど、別に面白い話が毎日あるわけじゃないしさ」
「別に面白い話じゃなくてもいいんだよ。どうでもいい話でも話をすることが必要だと思うの!」
「…あのさ、柔道のオリンピック選手がいるわけよ。当然みんなに期待されてさ、金メダル頑張ってください、連覇期待してます、って皆が言うわけ」
「…」
「でもさ、一緒にずっと練習してきたコーチは知ってんの。こいつもう膝悪くて優勝はほぼ無理だなって。選手も引退を考えてるみたいだし。でも、キツいトレーニングに耐えてる選手に声かけるんだよ。お前なら出来るよ、優勝して引退しよう、そしたら俺も一緒に引退して田舎で畑とかやろうかな。金メダルトマトって銘柄作るからよ、そしたらきっと遊びに来いよ、お前は俺の誇りだからよ…ってさ」
「…」
「選手は頑張ってさ、けっこう勝ち残ったんだ。準決勝まで残ってさ、第一試合は片方の選手がやっぱり怪我で、棄権して、試合前にメダル確定だよ。でも、その選手の膝も限界なんだ。あと二試合なんて絶対無理
。あんまり痛々しくてさ、コーチも声かけらんないんだ。頑張れよなんて、頑張ってるの分かってるよ、一番コーチが感じてるんだよ。だからさ、肩叩いてさ、選手を励ますんだ。俺が言ったこと覚えてるか、優勝して引退して金メダルトマト、覚えてるか。アレな、アレな、って、コーチもうちょっと泣いてる」
「うー」
「あの畑、お前も手伝えよ、俺もう年だからよ、重たいものとか持てないと思うんだよ、だからさ、お前にここで怪我されると困るんだよ、うまく言えないけど、この試合…負けてもいいよ。お前の膝が無事なら、いいよ金メダルじゃなくても、銀メダルじゃなくてもさ…って」
「………」
「もう、銅でもいいって話」
「……ぬがー!」

夜中の二時まで起きていたので眠いです。でもこの人と結婚してよかったです。