おっ新作。

pressenterさんの新作が始まりましたね。期待を裏切らないこの暗雲感。先がほんとに楽しみだなあ。

思うに、物語には抑圧と解放という一つの型があって、自分でも試してはみるけれどなかなか上手くいきません。
読むだけで息苦しくなるような閉塞感、絶望に到る暗雲感といったようなものを作るのにはある種の才能が必要なのだと思います。
ぱっと思いつくところで、状況の絶望感としては「皇国の守護者」なんかが白眉ですよね。あとはガチ閲覧注意なら「ジョニーは戦場に行った」とかそのあたりかな。平山夢明なんかもかなり閉塞を描くのがうまい気がするけどあの人はまた違う種類の異能だから置いておくとして。

こりゃ無理ゲーやで、と読者の心を折ってからどんな未来を紡ぐかは作者の好みではありますが、何れにせよ、「抑圧」を描くには現実を観察することが重要になります。「抑圧」という魔物は、正体を見破られた途端に力の八割を失いますので、巧妙に姿を隠しています。それを意識して捉えるために必要なのは知性と審美眼。

抑圧という魔物は確かに存在するけれど、結局は僕をそそのかすことしか出来ません。
結局のところ、何をするにしても我々は我々を自分でどうにかしてしまっているんですね。自分でどうにかしてしまったものなら、自分でなんとかできるはず。
もっと自由に。もっと軽やかに生きましょうね。