デスノート最終回大胆予測。

Lを欺きながらも、ともに捜査をしてゆくライト。
そして死力を尽した知力戦の末、Lは行き詰まるのであった。
そしてとうとう、敗北を認めたL。二人は夜の屋上で向かい合う。夜空を飛行船がゆっくりと飛んでゆく。

「夜神くん、いや、キラと呼ばせてください。しかし、私はキラが君であると証明が出来ません。降参です。あとは君自身に直接、キラですか?と尋ねるしか道は残されていないのです」
それがLの罠ではないということが判り、薄く笑うライト。
とうとうライトはLに、完全に勝利したのだ。
しかし、共に捜査をしてゆく過程でライトはLの思想に、自分と近いものを感じていたのであった。世界を良くするために、色々な手段があるということをライトは受け入れ始めていた。
そこへ、かつてLに恨みを抱いていた男が闖入してくる。それは警察内部の人間だったが、捜査の過程で悪事を働き、Lによって摘発された男だった。
二人を拘束した彼はライトに対し、自分がLを殺す場面を見て、きちんと記録するように命じる。

「俺はこの男に、Lと名乗るこの男に人生をメチャクチャにされた。その復讐をこれから果たすのだ。この男を、Lを殺すことで俺の名誉はようやく回復するのだ。さあ、Lよ、何か最期に言いたいことはないか。己の傲慢な姿勢が誤りであったことを認めて命乞いをするがいい。
そこの少年よ、俺は俺の名誉を回復させるためにLを殺すのだ。これは逆恨みではない。だから関係のないお前の命を奪うようなマネはすまい。その鞄の中にノートは入っているか。入っているな。では、この傲慢な正義の味方の最期の言葉を記録してやるんだ。お前はこの聖なる復讐の見届け人となるのだ」
ライトの鞄の中に入っていたのはデスノートだった。Lを殺すために用意されたデスノート。しかしそれがデスノートであることを、この場の誰も知らない。
このまま黙っていれば、あんなに自分を苦しめた好敵手Lは犯罪者に殺されてくれる。だが、こんなにつまらない小物に殺されるのか?あのLが?

「夜神くん、もうどうやら避けられないようです。私は別に自分が死ぬことに恐怖はありませんが、キラに教えて上げられなくなるのだけが残念です。
キラは、正義の意味を間違えてしまった子供です。だから、夜神くん、キラに伝えてやってくれませんか。
どうか、短絡的に人を殺すのではなく、もっと地道に、ゆっくりと、愛を持って世の中を変えていってくれないかと」

「L…」

「私の後は頼みます。夜神くん」
そしてライトはノートを取り出し、男の名前を書き込んだ。時刻は今から十五秒後。
十五秒が経ち、Lを殺そうとしていた男は心臓麻痺で死んだ。
そして、それと同時にライトも、砂とも錆ともわからない塊になって崩れて消えた。たくさんの人間を殺したライトは、いつのまにか、人間ではなく死神になってしまっていたのだ。死神になり、そして、いつのまにかライトはLを正義を愛するその生き方を、愛してしまっていたのだ。
呆然とへたり込み、Lは呟いた。
「夜神くん…いや、キラ…あなたは…」
そして夜の空を飛行船は、ゆっくりと飛んでいくのであった。

やおいじゃありません。