幻想水滸伝5

ついにクリアしましたしました。なるべくネタバレなしでいくつか。

  • 最萌えキャラはリオンで鉄板。作者がすでにリオンをガチで好きでたまらないのが伝わって来ます。なのに厭味ったらしくないってのは稀有。僕どうやらバッドエンドだったくさいのですが、その寂寥ただようエンディングの中にも見える愛。次に会う時は精一杯やさしくします。一周目には露骨過ぎたり気恥ずかしくて選べなかった選択肢も今ならいけます。ロイリオも捨て難いが確かにリオンは王子でガチ。
  • ヲベロン太の個人的なハアハア大賞はスバルに違いないという大方の予想を裏切ってネリス。あの陰気な笑顔と言動と、裏腹にイカのキグルミ。さらに予想を裏切るエンディング後の大胆アクション。その掴めなさ具合に激しく萌えてます。底知れないポテンシャルを感じる。
  • 本当に今回、シナリオが秀逸です。つってあんまり誉め過ぎるとこれからやる人によくないかも知れませんが、僕らはなかなか、素晴らしいものの誕生に立ち会ったんじゃないでしょうか。
  • キャラクターが素晴らしい件。具体的にはギゼル。僕にとってこれはギゼル・ゴドウィンの物語です。その身を捧げるべきものを見つけたら、僕もああなるんだろうか。僕にできるだろうか。
    ともあれ圧巻の太陽宮のギゼルを見よ。あのシーンでのギゼルがすべてを物語っています。あるものを受け入れ、無理に変えようとしない。ただ問い掛けや誘惑、理不尽や悲しみを世界へ投げ掛け、本質を見極めようとしているんです。サイアリーズは「楽しんでいる」と表現しましたが、多分ちがう。予想しているんです。大概の人間が、どの程度のことに屈するかを怜悧に見つめ、なるようにしかならない世界の絵図面を引いて、待っているんです。
    彼が待っているのは、自然摂理として完全で綻びのない、つまり冷酷でエントロピーの増大してゆくだけの世界を否定する「何者か」。通常ならば現れない筈の「英雄」。
    多分ギゼルはたった一人で、英雄の現れない、冷めてゆく世界の絵図面を描いていたのだと思います。描きながらも、それを打破し世界はよろこびに充ちていると宣言する英雄を待っていたんだと思います。描きながらそれを打破する者を待ち、英雄の訪れなかった場合の次善の世界を作ろうとする試み。孤独だったろうなあ、と思います。自分の行動が矛盾していることにギゼルは気づいていたと思います。
    自分の目論見が成功したら、冷めてゆく世界が出来上がるし、熱を持った世界を作るためには自分が打ち倒されなければならない

    そして太陽宮です。リムスレーアは、誰よりもギゼルのことを理解していました。劇中では語られませんでしたが、半分、彼のことを愛していたのではないかと思います。
  • しかしどいつもこいつも根っこが同じ。ファレナ女王国と生まれた土地を愛し、自分の役割を果たそうと必死なんです。素敵なやつらばっかりだ。素敵なやつらばっかりが死んじまう。