シグマハーモニクス。

久々の更新は後ろ向き。
ネガティブ感想です文句あっか(半泣き)。

何ってシグマ。ひどいってハーモニクススクウェアエニックスの繰り出すキャンディボム、シグマハーモニクスです。
概要は、謎解き要素に重点を置いたRPGという触れ込みです。
あながち間違いではなく、同じ証拠を使っても解釈によっては違う犯人にたどり着くこともあり得るという、「観察が事象を決定する」という視点は斬新です。
主に動機から犯人に目星をつける傾向にある昨今、関係者への聞き込みは一切許されず、物的証拠だけを使って犯人を絞り込まなきゃならない難しさなどは、はっきり言って非常に魅力的です。

しかし、だ。
なのに、だ。
心に沸き上がるこのどす黒いタッチペンの形をしたものはなんだろうと思うわけです。

主人公のはだけきったサモンナイトの帝国側みたいな衣装とヒロインの半分だけ大正ロマンみたいな衣装が「通ってる学校の制服」という設定も許します。
登場人物がみんな生活感ないのもスクウェアだし許します。
謎解きした後、犯人から何のリアクションもないのも設定上の問題だしなんとか許します。
ヒロインがフツーに「ふみゅ」とか抜かしやがるのもホントは直球アウトだけどギリギリ許します。ニンテンドーDS相手にマッスルスパークしそうになりました。
だけど。
だけど、通常画面から怪しい場所を調べるモードに切り替えるために毎回たっぷり5秒はかかるロードや、調べる画面に変わるまで一切存在を主張しない証拠品、さらに一つの部屋の中でも「近寄らないと確認できない証拠品がある」ために歩き回りながら何度も調べるモードを起動させなきゃならないイライラ、さらにはそれらがないと決してたどり着けない真相、超推理モードでは一度推理を始めたら一度の置き間違いも許されず、ちょっとピースを置き間違うと話の途中でも強制的に犯人を決めつけはじめる主人公、さらに犯人決めつけモードに入るとキャンセル不可のムービーを長々と眺めさせられる仕様、さらにはその内容が「犯人思い付かないから外部の何者かじゃないかな」というオマエもうちょっと考えろ的な結論で、すでに10回は見たよそれ、と思ったとしても決してスキップさせない不親切さ、さらには一回クリアした話でも解決具合が不満ならやり直して真相に迫れる親切設計にも関わらず、既読イベントもスキップ不可・推理のみのやり直しもないという設計とかだけは、ちょっと許せません。
ちょっと違う。アウトが多すぎてなんかもう、セーブスロットみっつあるとか割と当たり前のことくらいしか誉めるところが見つかりません。

こんな凄い地雷ひさびさに踏みました。PS2のステラデウスぶりです。前評判と素材のワクテカぶりと実物の差がすごすぎる。
誰か止めてあげる人はいなかったのかしら。たぶんほんの少しの工夫できっと面白くなるハズなのに…。
戦闘があってレベルの概念があって歩き回りながら調査してればRPGだろみんな好きなんだろそれが、とか思ってるのは間違いだと思います。

ものすごく穿った見方をすればこのゲームは、逆転裁判に「バッドエンドではない冤罪エンド」を持ち込んでスクウェアエニックス風に作り直すことを目指しているのかも知れませんが、出来上がりのこの有り様を見ると、そんなに好意的な見方をする必要はないかも知れません。悲しかったです。