最近のわたくし

胸の中に眠った子を連れて池袋。サンシャインへ向かう地下道に、サンバカーニバルの一団と出くわしたのでありました。
ブラジルフェアをしているというサンシャインシティから来たとおぼしい一団は既に口々に笛をくわえ、腕を鶴の形に掲げ、太鼓のバチを振り上げ、静止した世界の臨戦態勢でわたしたちを待ち構えていたのでありました。無明逆流れに出くわした気持ちってこれか。

やべっ、と思わず声が漏れ、わたしは先頭のイケメンが合図のホイッスルを鳴らすのを聞きました。

思わずつま先立ちになるほどの超絶どかちゃかが始まり、赤子はばちっと目を開きました。
音源をひとしきり探し、趣旨を説明してくたまえ、と赤子はわたしに目で訴えました。泣いてもいいレベルの騒音に対しての、この寛大な態度にわたしは感動し、ごめんごめんと彼の頭をぽんぽんしながらサンバから足早に離れるのでありました。

そして別行動していた配偶者にメール。
「大変だ地下道でサンバに出くわしたら子が起きた!サンバそっちに向かっている!」

ま、わけわかんないよね。