『アナザーエディション』(藤ノ木いらか/Hee-Haw-Hoo)

同じブースで隣に並んでいたので購入。
実はこれてっきり同じ人が書いたものだと思っていて、勢いのありそうな話としっとりしていそうな話と、絵柄も使い分けてるのかあ、ではそのふたつを見比べてみよう、などと勘違いしておりましたが、サイトを見ると分かるとおり、こちらのサークルさんは三人サークルさんだったのであります。普段同人誌を買いつけないもので、もったいないことをしました。他の本もためしに買っておけばよかったー。
というわけで、バトルマハラとは別の作家さんの作品でありましたが、これがまた、よい話でありました。
一度さらっと読むだけでは話の全体像がつかみにくい気もするのですが、タイトルの意味や、時間軸や、登場人物の関係について考えながら何度か読むと、染みるようにこう、いい話だなあ、というのが伝わってきます。一度目の読後にも、なんらかの雰囲気のようなものが伝わってくるから何度か読んでしまったのかもしれません。
内容は、これまた紹介が難しいけれど、作家志望の青年と、近所(かどうかは分からない)の父娘の話です。でも作家志望云々というのが話の根幹ではなくて、青年と娘の関係と時間の経過が主題のように思います。最近僕も、「時間の経過」について思うことが色々あって、そのせいか、とても不思議な読後感のある漫画でした。
こちらの方のものも「HeeHaw文庫」にて過去漫画が拝めます。筆漫画のクレタケランド掲載の『幼年期のコミューン』がすごく良かったです。っていうか、この方の絵が素敵だということもあるんですが、僕、筆の絵が本当に好きだということに気づいた。

あと、せっかく三人サークルなんだから、もうお一方の本も買えばよかったと後悔することしきり。ブースでは他にも何冊か並んでたと思うのよね…。
今度どこかで見かけたらぜひ買います。押忍。