コミケでもらったものレビュー

忘れていたわけじゃなくて、その後、時間がとれなかったもので。ええ。
では、そゆわけで、小説からざざっとレビュー。
…にしても遅くなったなあ。こりゃ。本をくだすった皆様、お待たせしてすみません。まとめてやろうとするからいけないのかしら。ともあれともあれ。まずは小説三本。

『三人で行こう!』(
//www4.vc-net.ne.jp/~young/" target="_blank">おーたむりーふ):こちらは、ポケットラブというギャルゲの二次創作のようです。僕は正直原作をやったことがありませんので、そのような視点からのレビューになります。
内容は、同じ人物を好きになった双子それぞれの視点から書かれた三部構成のお話。すこし残念なのは、双子それぞれが語る一部二部と、好きになられた主人公の視点である三部に移るまでの間が省かれているところだと思いました。この双子の結論は、僕などはよっぽどのことがないと導かれないんじゃないかと思うものなので、そこに至るまでの話し合いの内容を書くともっとよいものになったのではないかと思います。
『澪〜紅い蝶〜序幕』(
//www.venus.dti.ne.jp/~taduoka/top.html" target="_blank">多津丘〆葉):「ページノンブル間違えたやつ」をわざわざ選って寄越されたので読んでやるものかと腹立てたのですが、それも屈折した何かの表現かと思いなおしてレビュー。「零〜紅い蝶〜」の二次創作のようですがこれまたわたくし、プロローグ以外は未プレイでありますゆえそのように。
内容はというと、おそらくはゲーム本編のプロローグ以前の話に、物語外からの干渉を試みた作品だと思います。内容としては割と面白かったのですが、いかんせんタイトルどおり『序幕』的なのが気になりました。多津丘さんの書くものは割と読んでいるはずなのですが、どうにも『本筋』がまだ始まっていない印象を受けます。どの短編にも、背後の本編(もしくはそのようなもの)が、見え隠れしているだけのような印象。ブギーポップの最初のやつなんかはそういう手法で物語を描いていた気がしますが、そういう感じで物語を作るつもりならば、もっと数をまとめて本にした方がよいような気がします。内容が面白いだけに残念。
『PUTI(2004年夏号)』(
//www007.upp.so-net.ne.jp/setin/" target="_blank">ぬ組):今回のテーマは『スポ根』です。僕も時々漫画を描いていたんですが、色々都合がつかなくて今回は原稿見送り。スポ根といえば、汗だくだくとか、倒れる頬にべったりつく土の跡とか、そういうのを梶原イズムで感動に変えてしまうアレのように思いますが、今回はどなたもそこから半歩外れた位置にした模様です。といっても今回は執筆者が三人、ということでそういう方向にしようという打ち合わせがあったというわけではないようですがともあれ。
そして今回はこちらにも書かれている多津丘さんの『目を閉ざすにはまだ』が紙数的にも内容的にも少し取り上げておくべきだなあ、と感じたのでひとつ。内容は、割と世界閉じちゃってる子が強引に誘われて部活動に入る話。たいへんよかったと思います。でも、これって多分二次創作なんだろうと思うんだけど、二次創作にする意味があったんだろか、と思うんですね。話の核になるというか面白くなってくる後半には、特殊能力の話はほぼまったく絡まなくなっているわけだし、こう、オリジナルでやってもよかったんじゃないかと思うんだけど、どうかしら。これについてはいつか会って泥酔してないときにでも。

続いて漫画二本。

『LOVIN'THE DAYS』(
//homepage3.nifty.com/chikican/" target="_blank">SugarPot):サモンナイトの二次創作本です。サモンナイトは珍しくわたくし、プレイしたことがあるのですね。オマケダンジョンも解ききったヨ!というわけで、なじみのある人が出てくる二次創作であります。内容は、アメルの妄想が炸裂する短編。まさに炸裂といってもよいかと思われます。しかし、内容よりは端々に絵が変化するところに目を奪われました。昔の少女漫画風に以降するのですが、この「昔っぷり」が大変ようござんした。まさに昭和エレジー。残念ながら完売してしまったそうなのですが、ぜひ再版なさるとよいと思いました。確かに突き抜けてる(何かが)。あと、少女漫画の絵でホラー漫画、ということでさがみゆき先生なんかをものすごく紹介したいと思いました。多分ハマりますぜ。
『札遊び(物の怪文庫)』(
//www16.tok2.com/home/freezie/index.htm" target="_blank">IR研究所:先日も賞をとったあきうせいさんの漫画。内容について思ったことなどは会場などでいくつかお伝えしたのですが、やはり見直すたびに一つ目の妖怪が「網切」に似てるような気がします。丸い頭の方も、どこかで見た気がするんだけれどいまひとつ思い出せません。うーん。しいて言えばミンキラウワとかかなあ。でも表紙を見ると何か、狸っぽい妖怪でいた気がするし。うーんうーん。ともあれ分かったらまたメールします。会場でも言ったんですが、主人公は「けもの文庫」の主人公と同じ人で、一緒にいる人が変わっていて、タイトルも「物の怪文庫」に変わっている、そういうタイトルのつけ方はとても僕、好きです。